今日は振袖購入話の続き、ついに購入編になります。


前回のあらすじ
「着物愛好家ならばせめてデパートや老舗の呉服店できちんとした染の振袖を誂えるのが当然ではありながら予算の都合上、インクジェット振袖の購入にかじを切った私。県民共済の振袖販売会が消滅したことで希望を見失うも、その後継かと思われる県民振袖販売会なる存在を知り潜入を決意する。時はまんぼう。行くべきか行かざるべきか、悩みつつもサッと見て気にいる物がなかったら帰ろうと決め、ついに当日を迎える。埼玉県民の聖地、スーパーアリーナへ突入した私達親子はどうなってしまうのか!」
の続きです。

では宜しくどうぞ!


日曜、県民振袖販売会は3日間開催ということで、最終日にスーパーアリーナへ行ってまいりました。
事前予約制で、ネットから予約はしてあります。

入口で検温と消毒をすると、履物を脱いで絨毯敷のホールに入ります。

順番に振袖を着る本人だけが採寸コーナーに呼ばれ、親らは立ったままモニターに映される
「本日の流れ」
的な動画を見させられます。

次女も一緒に来てくれたので二人並んで視聴。

ちなみに事前情報として、県民共済で振袖購入した知人からどんな様子なのかは聞いてまして
「バーゲン会場みたいな感じ。振袖を自分で決めて、決まったら帯コーナーに行って帯を決めて、帯が決まったらその奥の小物コーナーに行く。一つずつ決めていく形。何もやってもらえないから全部自分でやるんだよー」
ってことだったので
当日、私が持参したのは
着物クリップ、腰紐、独立衿、伊達締め です。

で、モニターで見た動画でも
「ご自身で振袖を決めてください」
と。
うんうん、そうなんだよね。

しかしここからが驚き
「次に帯を決めてください。帯は袋から出さないでください。」
えっ。

皆さんあの透明な帯袋はご覧になったことはあるでしょうか。問屋さんが持ってきた時に包まれてる、透明だけどガサガサしてて光を反射しちゃうアレ。

帯を廻せないというのはあるかもと思っていたんですが、まさか袋から出してもいけないとは…。

これはちょっと選び辛いな。
私は袋ごと見てもイメージできるけど、見慣れていない長女にはわかりにくいだろうなあと若干不安になりました。

なんせ決めるのは本人ですからね。

採寸後、伝票と大きな袋を渡された長女と合流して振袖コーナーへ突入します。ちなみに予約制で人数調整してるせいかそんなに混雑はしていませんでした。

大きなポールにみっしり仮縫い状態の振袖が、地色別にかかっています。ここから好きな物を選び、勝手に試着します。
鏡がいくつか置いてあり、そこに腰紐の用意があったので好きに使って良いようです。

私は長女に独立衿をつけようとしたんですが、そんなことしてる親子は皆無だったために長女の激しい拒否にあい、断念。

長女は青の振袖が第一希望で、緑もいいな、白地に青の柄もいいな、と言っていたのでまずは青の振袖を見ることに。

DSC_0241~2
やだ、いきなりいいじゃん!

気に入ったら先ほど渡された大きな袋に入れてキープしても良いらしい。これキープ。

次に緑をためす。
DSC_0243~3
悪くないけど長女のイメージとは違った。
やっぱ青だね、となる。

DSC_0245~2
なんだかこれが気に入ったらしい。

白地も着てみれば?と言ってみるも、やっぱ青が良いらしい。一着目と悩んでいたので私は一着目をプッシュしたが、結局はこちらの三着目になりました。

DSC_0242~2
これが一着目の後ろ姿。

DSC_0246~2
三着目の後ろ姿です。

まあ三着目の方が可愛らしい感じで、長女の好みだったんでしょうね。
後ろ姿は自分では見えにくいので、写真で撮って見せてあげると良いですよ。
あと、すごく迷う方も着る度に写真を撮っておけばその場で確認しながら候補を絞り込めるので、必ず試着ごとに写真を撮ってください。

さて、まさかの三着目で振袖が決まるという思わぬスピード感に勢いづく私。

余談ですが会場には京都なまりのスタッフさんがあちこちにいてくれて、試着ができない人は手伝ってもらっていました。
我が家も声をかけられたんですが、私が時短試着法「腰紐使わずとも布地を寄せて腰もクリップで止めちゃう作戦」を繰り出していたため
「すごいですね…何かやられてるんですか?」
と引き気味に話しかけてきた男性スタッフに
「はあ…着物のお仕事を…」
と答えた途端にサッと姿を消した。笑
そしてその後、振袖コーナーでは私らは誰にも目を合わせてもらえなかったのであった。笑笑

なんやこいつプロやん自社で買えや!と思われたのかも…笑

まあ良いです。
振袖を決めたら次は帯。
照明の光をバキバキに跳ね返す帯袋ごと、合いそうな帯を積み上げられた帯コーナーからざっと選び
長女を鏡の前に立たせて合わせていきます。

「これがスタンダード。こっちは今どきの合わせ方。可愛くするならこれ、かっこいい系ならこれ。」
長女に説明しながら袋ごと着物にあてて、好きな物を選ばせます。

帯選びの際は
王道の金地、流行物のデザインのもの、着物と反対色の地色、引き締める黒地 辺りをまず合わせてみて好みを聞くと早いです。
ここで王道がいいなー、という反応なら光沢感や柄の大きさの違う物をまたいくつか選定して合わせていきます。

結局長女は、白地に織柄のみの超現代的な帯を選んだので、私としてはちょっと残念に思いつつ帯が決定。
置いてある帯は振袖用としてはごくごく普通のもの、振袖専門店ならランクアップで数万円取るタイプの物が多数含まれていました。

振袖専門店で7万くらいで販売してる見覚えある帯もたくさん。

とってもお得だけど、これ袋から出せないので選びにくいし、知識のない方にはハードル高そう。スタッフさんに相談してるお客さんも見かけました。
「この振袖にこの帯は合いますか?」
「合うと思いますよー」
みたいな感じで、呉服店のように試着させてくれないし親身に提案アドバイスしてくれるわけではないのです。

袋から出せないということは全通なのか六通なのか、前柄の出方や長尺なのかとかもわかんないですからね。たまに帯端に「全通 長尺」とか織出してある帯がありますけども、そうでもなければちょっとわからない。

なのでこういう販売会に向いてるのは
こだわりがなく、安ければ良いタイプ
逆にこだわりが強く、他人の意見を求めないタイプ
仕事で着物に関わっていて、広げなくても予想がつく人
かなあと思いました。

知識がなくプロのアドバイスがほしいとか、知識はあるけど一点ずつ試着させてもらって選びたい、という方はやはり呉服店や振袖専門店などに行かれた方が後悔ないでしょう。
特にお嬢さんたちは、実際に帯を廻して小物も付けてあげないとイメージが湧かなかったりするようなので。

帯の山からぱっぱと選定して解説しながら帯選びをしていたどう見ても素人ではない私に
「次はあちらへー」
的な声掛けをしてくれる京都人はもはやおらず、自分勝手にお次の小物コーナーへ突き進むことにした私達。

次回
「諦めと苛立ちの小物選定とわくわくオプション購入タイム。その説明はいらんワガママな私と目立ちたくないのに母が目立ってしまうことに羞恥する娘たち。結局お会計はいかに?」
をお送りする予定です!

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 ファッションブログへ
にほんブログ村
着物愛好会 - にほんブログ村