今日は母の日。めちゃくちゃ残業した母はこの私です。とにかく疲れた…。

今日は昨日の続きで、帯の話。

宮田登さんという学者さんの著書を読んでいて感心したのが、
うぶ(生む)という言葉がオビに変化したのだという説。
戌の日のオビ祝いは出産を司るウブガミ(産神)の支配下に入ることを意味しており、俗信ですがウブは小児の霊魂であり命であるそうなのです。

そして帯祝いは胎内に生命が宿ったことを知らしめ、帯をしめることでその命を守ろうとする儀式なのだそう。

日本の古くからの文化風習を調べると、そういったまじないや祈りを託して生まれたものがたくさんあります。

女性の帯は現代ではもはや装飾に近い存在ではありますが、着物姿には欠かせない存在。帯に対する想いや執着は、やはり長い歴史から無意識的に受け継がれているのかもしれません。

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こちらはアンティークの名古屋帯。お気に入りではありますが、とにかく重くて実用的ではない気がしています。でも、この日本刺繍の美しさ、大好きな鳥のモチーフに惚れ込んで買ってしまいました。

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お腹にくる部分にこのように隠しポケットがつくられていて、元の持ち主の方はとても可愛がってらしたんだろうなあと想像します。

古いものには、こういう生活に即した工夫があって幸せな気持ちになります。

アンティークの帯を見るときに、いつも、この世にはもういないかもしれない方の命や生きた証のようなものを感じます。
それは霊的な恐怖などでは決してなくて、かつての時を生きた同士ともいうような、その見知らぬ人のいた鮮やかな思い出を追体験するような、不思議と暖かい気持ちになるのです。

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